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「プジョー206RC E/g不動修理(Tベルト切れ、バルブクラッシュ)です。」

こんにちは。
栃木県宇都宮市のプジョー専門店「MajiBlue」マジブルーです。

今週のフォトを撮影した作業車両ですね。

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まずは
プジョー206RC エーゲブルーです。
当社には初入庫の茨城県からのオーナーさんです。

 
 
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走行中にエンスト、その後、E/g始動不能での入庫でしたが
結果からいうとタイミングベルトの咬み込みにより、バルブクラッシュ。

ラッシュアジャスターがオーダー数に対し国内在庫が足りず
本国オーダー、入荷待ちの状態でした。

 
過去に他社にてTベルト類の交換は済んでいるとのことですが
なぜ、ベルトがズレたのか明確な原因は不明ですね。

ようやく、部品が全て揃ったので作業再開です。

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↑は入庫当初ですね。
セルは回りますがE/gが点火する気配がありません。

言わずと知れたE/gの三大要素「良い火花」「良い圧縮」「良い混合気」ですが
コイルやプラグは大丈夫なので...。

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圧縮を計ってみたところ
1番、2番が0kg。
3番、4番が3kg未満。

タイミングベルトのコマづれによる
バルブの曲がりや欠けが疑わしいですね。

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Tベルトカバーを外して診てみると
ベルトの端が擦り切れてボロボロに...。
もちろん、タイミングもヅレてしまっています。

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おそらく、Wポンプの内側にベルトが咬みこんで
ベルトがコマ飛びしてしまったのではないかと思われます。

RFJやRFKのE/gでベルトが内側または外側にヅレてきてしまう車両は
過去に何台かありましたが、原因が明確にわからないんですよね。
プーリーの曲がりだと考えられるのですが、
どの箇所かは目視で判断出来ないので
Tベルト類一式交換でベルトづれの症状は対応しています。

RFJやRFKのTベルト類は早めの交換サイクルが望ましいかと...。

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ベルトのコマづれが確定したので
ヘッドを下ろします。

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ピストンを見ると、EX側のバルブが突いた跡が...。
EX側8本全部ですね。
幸いなことにIN側は大丈夫なようです。

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やはりバルブは8本とも曲がっていますね。

オーナーさんと修理の進め方を相談。
本来であればバルブガイドがシリンダーヘッドAssyのため、
シリンダーヘッドも新品にする必要があるのですが
価格が323,500円(税抜)で本国オーダー。
ヘッドは再利用することになりました。
その他、必要なパーツは新品です。

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ラッシュアジャスターが揃ったところで組込。
新品のバルブも擦り合わせをして組み付けです。(ステムシールも新品)

ヘッドガスケットやサーモハウジングなどのガスケット類も新品を使用。

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E/g裏側のラジエーターホースも
ヘッドカバーからかなりオイルが漏れていたため、
ブヨブヨにフヤけていました。
ヘッドカバーIN&EXと同時にホースも交換です。

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新品のヘッドカバーやエキマニ、インマニなど補機類を取り付け。

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新品のタイミングベルト、EXカムシャフトダンパー、テンショナー、アイドラー、
Wポンプ&ガスケット、ホース側Oリング、ドライブベルトなどを取り付け。

LLC(PG55-RC)を充填後に
E/gオイル(MOTUL H-TECK5W40)&エレメントを交換してE/g始動です。

ちゃんとE/gがかかるようになりました。
懸念していたタペットやバルブの打音も無く、
TEST走行しても問題が無さそうなので
あとはオーナーさんに乗って頂いて様子見でしょうか。

気になるのはヘッドが新品ではないのでオイル消費ですね。

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↑は今回の修理で交換したパーツ類ですね。