おはようございます。
プジョー専門ショップ[MajiBlue]マジブルーです。
今週の作業ブログの続きですね。
こちらの
プジョー206SW XS チャイナブルーは
ヒートプロテクション再発による再々入庫です。
福島県からのオーナーさんですね。
過去にヒートプロテクションによるウォーターラインの変更をしたのですが
数年後、再発。
再入庫時に診てみると今度はラジエーターファンの低速が入らなく
レジスター故障。
レジスターを交換して様子見でしたが、症状が改善されなく、
30分くらい走行するとATの変速がおかしくなるようです。
テスターで故障診断してもフォルトは前回同様に入りません。
ATF温度をチェックしてみたところ
105℃以上になると症状が現れますね。
停止時に1速が遅れて「ドンッ」と入ったり、リバースもショックが大きいです。
発進時も1⇒2速の変速がおかしいですね。
105℃以下になると正常な変速に戻ります。
試しにATのECUを初期化しても変わりせん。
しかしながら、これくらいの温度は正常なAL4でも上がる温度なので
許容範囲内なんですよね。
(テスターにも80℃~110℃まで上がると記載してあります。)
EPDEも作動要求が出ていません。
EPDE(フローコントロールバルブ)はATF温度、
またはE/g回転数が規定値以上になると作動して
ATFを強制的に冷却するようにするソレノイドバルブです。
が、正常なAL4でも、これが作動しているのを過去に見たことがありません。
110℃以上じゃないと作動しないのかな。
症状的にAT内への水の混入も疑われますが、なんとなく違うような...。
AT-ECUの故障。
ということで
試しに部品取車からAT-ECUを移植してみることに...。
ECUの品番、プログラムのヴァージョンやコンフィグが
全て同じであることを確認してから取外して交換します。
(ちなみに新品のAT-ECUは国内在庫無し、本国オーダーでしたのでUSEDを使用。)
AT-ECUを交換してみたところATF温度が100℃前後で安定、
105℃以上になっても症状が発生しなくなりました。
テスト走行してみたところ変速も気持ちスムーズになったような...。
試しに元のECUに戻してみると症状が発生します。
「う~ん。やはりAT-ECUの故障なのか」
プログラムやECU本体なので原因がはっきりしないため、モヤモヤしますね。
2~3日、テスト走行をしてみましたが
ECUを交換後は症状が現れません。
あとはオーナーさんに一度、引き渡して様子見でしょうか。
P.S : 納車後、オーナーさんから連絡がありました。
福島県まで下道で帰ったそうですが症状は出なくなったそうです。
このまま、症状が再発しないと良いのですが...。
あとはAT-ECU交換後に整備依頼のあった...。
タイロッドエンド左右の交換。
サイドスリップも再調整です。
スタビライザーブッシュが潰れてはみ出しているので...。
スタビブッシュ交換。
ドライブベルトに亀裂が入っているので...。
ファンベルト(ドライブベルト)交換などなどでした。